鍼灸院・治療院

鍼灸院のホームページで使えない表現とは?広告規制をやさしく解説

公開日:執筆:WiLBfv編集部

鍼灸院のホームページで使えない表現とは?広告規制をやさしく解説

この記事は、2026年10月時点で確認できた法律・厚生労働省のガイドラインをもとに書いています。
WiLBfvはWeb制作事務所であり、法律の専門家ではありません。
実際の表現が問題ないかの最終判断は、管轄の保健所や専門家にご確認ください。

鍼灸院のホームページやチラシには、「書いて良いこと」が法律で細かく決められています。
2025年2月には厚生労働省が新しいガイドラインを公表し、具体的な例も示されました。
この記事では、釈迦に説法かもしれませんが、開業中・開業準備中の院長さんに向けて、そのルールを整理します。

この記事で分かること

  • 法律で決まっている「広告できること」の範囲
  • ホームページで避けたほうがよい表現と、その言い換えの方向性
  • 今のホームページを見直すためのチェックリスト

なお、本記事は「あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(あはき)」が中心です。 接骨院・整骨院(柔道整復)は柔道整復師法第24条が根拠で、広告できる項目が一部異なります。

鍼灸院の広告は「書いていいこと」が法律で決まっている

結論から言うと、鍼灸院の広告は「原則禁止で、決められた項目だけ書いてよい」という仕組みです。 一般のお店の広告が「原則自由で、ウソや大げさな表現だけがダメ」なのとは、考え方が逆になっています。

根拠は「あはき法」第7条

鍼灸院の広告を決めている法律は、通称「あはき法」(あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)です。 その第7条で、決められた項目以外は「何人も」「いかなる方法によるを問わず」広告してはならないとされています (出典:厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」(令和7年2月18日)、条文はe-Gov法令検索)。

イメージで比べると、次のようになります。

一般の業種鍼灸院(あはき)
基本の考え方原則自由原則禁止
書いてよいことウソ・大げさ以外法律で決まった項目だけ
対象になる人主に事業者「何人も」(誰でも)

理由として、ガイドラインは 「人の身体に関わる施術で、被害が大きくなりやすい」 「専門性が高く、利用者が事前に質を判断しにくい」 という点を挙げています。

法律で広告できる項目(一覧)

あはき法と厚生労働省の告示で、広告してよいとされている項目は次のとおりです。 (出典:同ガイドライン Ⅲ章)

区分広告できる項目
法律で決まった項目施術者である旨・施術者の氏名と住所
業務の種類(あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう)
施術所の名称・電話番号・所在地
施術日・施術時間
厚生労働大臣が指定する項目もみりょうじ/やいと、えつ/小児鍼
施術所の開設などの届出をした旨
医療保険療養費の支給申請ができる旨(医師の同意が必要な旨を書く場合に限る)
予約制で施術していること
休日・夜間に施術していること
出張施術をしていること
駐車場に関すること

住所の項目には、最寄り駅からの道順や地図、メールアドレス、ホームページのURL、QRコードなども含まれるとされています。
駐車場は、有無・場所・台数・料金・写真などを載せられます。

上の項目でも「技能・施術方法・経歴」には触れられない

もうひとつ大事なのが第7条第2項です。 氏名や施術所名などを書く場合でも、施術者の技能・施術方法・経歴にわたる内容は広告できません。

ガイドラインでは、次のような例が挙がっています。

  • 技能・施術方法の例:
    「高い技術」
    「唯一の技術」
    「痛くない鍼」
    「気持ちの良いお灸」
    「○○流指圧」
  • 経歴の例:
    「○○養成校卒業後、○○大学で学位取得」
    「○○先生に師事」
    「○○学会会員」
    「有名人のトレーナー」

院長の経歴や得意な施術を前面に出したくなる気持ちは自然です。
ただ、広告の場面では書けない項目だという点は押さえておきましょう。

2025年2月に厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」を公表

2025年2月18日、厚生労働省は「あはき・柔整広告ガイドライン」を公表し、都道府県などに通知しました (出典:厚生労働省 医政局長通知 医政発0218第1号)。

何が変わったのか

法律そのものが変わったわけではありません。 これまでの「原則禁止」の考え方は引き続き守りつつ、
どこまでがOKで、どこからがNGかを、具体例つきで文書にしたのが大きな変化です。

このガイドラインは、都道府県や保健所が指導するときの目安として使われます。 通知の中でも「技術的助言」と位置づけられています。

ちなみに、病院・クリニック向けには別に「医療広告ガイドライン」があります。 あはき・柔整のガイドラインは、それを参考にしながら作られた別のものです。

「国家資格保有」と書けることが明記された

利用者に分かりやすくなる方向での整理もありました。 たとえば、施術者の資格と合わせて「国家資格保有」と書けることが明記されています。

  • 書ける例:
    「はり師(国家資格保有)」
    「きゅう師(国家資格保有)」

一方で、「整体」「カイロ」などの民間資格や、外国の類似資格を持っている旨は広告できないとされています。

医療保険の説明を、分かりやすく言い換えてよい

「医療保険療養費の支給申請ができる旨」は、そのままだと分かりにくい言葉です。 ガイドラインでは、次のような言い換えが可能とされています
(いずれも医師の同意が必要な旨を書くことが条件です)。

  • 医療保険を使うと、施術費用の一部の負担で施術を受けられる、という説明
  • いったん全額を支払い、あとで保険者に費用の一部を請求できる、という説明

具体的な文例はガイドライン本文(Ⅲ章2(2)・4(2))に載っています。

逆に「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」などの書き方は、広告できない例として挙げられています。

誰が対象? 院長だけではありません

あはき法の広告ルールは「何人も」が対象です。 ガイドラインでは、院長だけでなく、広告代理店、
いわゆるインフルエンサーやアフィリエイターも対象になると書かれています。 広告を作った側も、指導の対象になり得るとされています。

ホームページや広告を作る制作者も、当然この中に入ると考えるべきです。 WiLBfvも制作する側の責任として、原稿の段階で表現を一緒に確認するようにしています。

ホームページは「広告」なの?いちばん誤解が多いポイント

ここは院長さんから一番よく聞かれる部分です。 答えは「原則として広告ではない。ただし例外がある」です。

原則:自院のホームページは「広告」にあたらない

ガイドラインでは、広告にあたるかどうかを次の3つの条件で判断します。

  1. 利用者を施術所に誘う意図がある(誘引性)
  2. 施術者や施術所の名前が分かる(特定性)
  3. 一般の人が目にできる状態にある(認知性)

自院のホームページは、見たい人が自分で検索したりURLを入力したりして見に来るものです。 そのため3つ目の「認知性」を満たさず、原則として広告には当たらないとされています。 (出典:同ガイドライン Ⅱ章6(6)、Ⅵ章1)。

例外:広告から飛んでくるホームページは「広告」扱い

ただし、次のような場合は話が変わります。

  • リスティング広告(お金を払って検索結果に出す広告)
  • バナー広告、動画広告、SNS広告
  • 掲載料を払っている紹介サイト・口コミサイトの紹介ページ

こうした広告にリンクしている先のホームページは、広告と一体のものとして広告として扱われるとされています。 また、SNSの書き込みも、3つの条件を満たせば広告として扱われます。

つまり、ネット広告を出すなら、その飛び先のホームページも広告のルールに合わせる必要があるということです。 「ホームページは広告じゃないから大丈夫」と思い込んでいると、ここで食い違いが起きます。

広告でなくても「載せるべきでない内容」がある

さらに、ガイドラインは広告にあたらないホームページについても、
「載せるべきでない内容」と「載せるべき内容」を示しています。 法律の罰則の対象とは別に、業界の自主的な取り組みを促すためのものです。

また、景品表示法などほかの法律は、ホームページにも適用されます。 ホームページだから何を書いてもよい、というわけではありません。

ホームページに載せるべきでない表現【例文つき】

ガイドラインⅥ章では、ホームページに載せるべきでない表現が例文つきで示されています。 主なものを、言い換えの方向性と合わせてまとめました。

避けたい表現の例理由言い換えの方向性
「絶対に治る」「根本治療」「○○に効きます」「改善率○%」虚偽、または証明できない効果ではなく、施術の内容・流れ・料金を客観的に書く
「どこへ行っても治らなかった方、諦めないで」同上来院の目安や相談方法を案内する
「痛みのない」「からだにやさしい」「安心安全・確かな技術」例文として挙げられている使う鍼の種類や施術時間など、事実を書く
「口コミサイトで1位」「No.1」「日本一」「○○にも掲載」「著名人も来院」他より優れていると誤解させる院の方針や設備など、比較しない事実を書く
加工した施術前後の写真、撮影条件を変えた施術前後の写真虚偽・誇大院内や設備の写真で雰囲気を伝える
都合のよい感想だけを選んだ体験談、謝礼つきで集めた感想誇大・不当な誘引体験談を前面に出さない
「今すぐ来院しないと悪化」「今だけ半額」不安をあおる、費用を過度に強調料金は通常価格をはっきり示す

ポイントは、「効果」や「他との比較」ではなく、「事実」と「情報」で選んでもらうという考え方です。 料金、施術の流れ、院内の様子、アクセスといった情報は、初めての方の不安を減らすうえでも役に立ちます。

医療機関とまぎらわしい名称・表現

院の名前(名称)にも細かいルールがあります。 ガイドラインでは、次のような名称は広告できない例として挙げられています。

  • 病院・診療所と誤解されるもの:「診療所」「治療室」「メディカル」「クリニック」、施術業態を含まない「○○治療院」など
  • 施術内容や方法を含むもの:「美容鍼灸」「不妊鍼灸」「無痛治療」など
  • 対象者を限定するもの:「女性専門」「スポーツ」「交通事故専門」など
  • 施術所と分かりにくいもの:「○○堂」「○○館」「サロン」「ほぐし処」など

一方、「○○鍼灸治療院」「はり・きゅう○○」のように、
施術業態が分かる名称は広告できる例とされています。

また、施術日・施術時間の書き方で「診療時間」「休診日」「初診」など「診」の字を使うことも、
広告では不可の例です。 「施術時間」「休療日」などに言い換えます。

すでに使っている院名や屋号に、これらの言葉が入っている場合はどうすればよいか。 ここは個別の判断が必要なところです。

URLや電話番号の語呂合わせも対象

意外と見落としやすいのが、URLや電話番号です。 ガイドラインでは次のような例が挙がっています。

  • URLの例:「katakorinaoru」(肩こり治る)
  • 電話番号の語呂合わせの例:「1374(痛みなし)」「3776(みな治る)」

ドメインを取るとき、覚えやすさを優先して効果を連想させる言葉を入れないよう注意しましょう。

逆に「載せるべき」とされている情報(自費施術がある場合)

ガイドラインは、自費の施術を行う院に対して、ホームページに次の情報を載せるよう求めています (出典:同ガイドライン Ⅵ章3)。

  • 問い合わせ先
  • 自費施術の内容と、通常かかる費用
  • 費用が決まっていない場合は、最低〜最高の金額の幅
  • 回数券やプリペイドカードを売っている場合は、その内容や契約条件
  • 自費施術の主なリスク・副作用、標準的な期間や回数

大事なのは、これらを小さな文字にしたり、別ページへのリンクに追いやったりしないことです。 良い点の説明と同じくらい見やすく載せる、という考え方です。

料金ページを作るときは、たとえば次のような構成が考えられます。

  • 施術メニューごとの内容と所要時間
  • 料金(自費)と、回数券の内容・有効期限
  • 保険を使う場合の説明(医師の同意が必要な旨)
  • 施術で起こり得ること(内出血・だるさなど)と、気になったときの連絡先
  • お支払い方法

料金やリスクが分かると、初めての方も予約前の不安が減ります。
予約につながるページづくりについては「予約が増える鍼灸院・整体院のホームページに載せるべき10項目」でもくわしく紹介しています。

今のホームページを見直すチェックリスト(10項目)

ここまでの内容を、10項目のチェックリストにしました。 ホームページを開きながら確認してみてください。

  • トップの大見出しに「治る」「効く」「改善」などの言葉がない
  • 院名・屋号に、名称として不可とされる言葉が入っていない
  • 施術前後の写真を加工・修正していない(撮影条件もそろえている)
  • 体験談を、都合のよいものだけ選んだり謝礼で集めたりしていない
  • 「No.1」「○○で紹介されました」「著名人も来院」がない
  • 自費施術の料金(または幅)が分かる
  • 自費施術のリスク・副作用の説明がある
  • 保険の説明に「医師の同意が必要」と書いてある
  • リスティング広告などを出している場合、飛び先のページも広告ルールに合っている
  • Googleビジネスプロフィール(Googleマップの店舗情報)やSNSの文言もそろえている

ホームページだけ直しても、Googleマップの紹介文やSNSに古い表現が残っていることはよくあります。
写真も同じで、院内写真の撮り方は「治療院の院内写真は何を撮る?予約につながる撮影カット一覧」、
Googleマップの写真は「Googleビジネスプロフィールの写真|追加・変更と反映されない時の対処法」で紹介しています。

今のホームページの表現が気になる方へ。 WiLBfvでは、制作・リニューアルのご相談のときに、表現の見直しポイントも一緒に整理します (最終判断は保健所・専門家にご確認ください)。無料で相談する

迷ったら:保健所への相談と、専門家の確認

判断に迷う表現は、自分だけで決めず、管轄の保健所に相談するのがいちばん確実です。 ガイドラインでも、自治体が広告に関する相談窓口をはっきりさせ、住民に知らせるよう求めています。

福岡市の場合、市のホームページに「施術所等について広告し得る事項」というページがあり、
問い合わせ先として福岡市保健所の各区の衛生課(医薬務係)が案内されています (出典:福岡市「施術所等について広告し得る事項」)。 福岡市以外の方は、院のある自治体の保健所に確認してください。

なお、ガイドラインによると、行政はまず指導で是正を求め、
それに従わない場合などに告発を検討する流れです。 罰則は30万円以下の罰金とされています (出典:同ガイドライン Ⅴ章5)。

院名の変更や、広告を出すかどうかなど、経営にかかわる判断が必要なときは、
行政書士・弁護士などの専門家に相談するのもひとつの方法です。

まとめ

鍼灸院の広告ルールのポイントを振り返ります。

  • 鍼灸院の広告は「原則禁止、決められた項目だけOK」
  • 技能・施術方法・経歴は、広告では書けない
  • 自院のホームページは原則として広告ではないが、ネット広告の飛び先になると広告扱い
  • 広告でなくても、ガイドラインで「載せるべきでない表現」と「載せるべき情報」が示されている
  • 迷ったら保健所に相談する

ルールは厳しく感じるかもしれません。 ただ、料金・施術の流れ・院内の様子・アクセスといった「事実の情報」をていねいに載せることは、初めての方の安心にもつながります。

WiLBfvでは、ホームページの原稿だけでなく、院内写真やGoogleマップの紹介文まで、同じ考え方でそろえて確認します。
ホームページ制作・写真撮影(九州エリア)・Googleマップ対策(MEO)を一つの窓口で担当しているので、媒体ごとに表現がぶれにくいのが特長です。

鍼灸院向けの取り組みは「鍼灸院・整体院のホームページ制作」のページにまとめています。
「今のホームページを一度見てほしい」というご相談だけでも大丈夫です。
相談・お見積もりは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q.自分の院のホームページも広告規制の対象ですか?
A.

原則として、自院のホームページは法律上の「広告」にはあたらないとされています。ただし、リスティング広告やバナー広告からリンクしている場合は広告として扱われます。広告にあたらない場合も、ガイドラインで「載せるべきでない表現」が示されています。

Q.患者さんの声(体験談)は載せられますか?
A.

広告としては認められていません。ホームページでも、都合のよい感想だけを選んだり、謝礼を払って書いてもらったりした体験談を強調することは、ガイドラインで避けるべきとされています。

Q.ビフォーアフター写真は使えますか?
A.

加工・修正した写真や、撮影条件を変えて効果を大きく見せる写真は、虚偽・誇大な内容として扱われます。掲載する場合も慎重な判断が必要です。

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